あごが痛い、口が開けにくい…顎関節症について

主な症状

  • 顎の関節や頬の後ろ、こめかみの辺りが痛い。
  • 口が開けにくい、開かない。
  • 口を開け閉めすると音がする。

顎の関節の場所

 耳の穴から2センチほど前のくぼみ。口を開け閉めするとへこむところ。

主な原因

 痛みの原因としては、顎の関節の異常や、口を動かす筋肉の異常によっておこると言えます。時には両方に異常があることもあります。

  • 関節の異常:関節内の軟骨のずれや変形によるものが多いですが、時には関節自体が変形していることもあります。
  • 筋肉の異常:過度の噛みしめや片側だけで噛むなど、かたよった筋肉の使い方が続くと、筋肉痛やこわばりがおきることがあります。

 症状が強く現れることもありますが、急激に進行し手術が必要になるようなことはほとんどありません。

 軽い筋肉の異常であれば、負担をかけるような自覚できる癖(日中の持続的な軽い噛みしめやほおづえなど)を意識してやめると和らいでいくこともあります。

 専門的な治療としては、

 心理的なストレス

 睡眠時の歯ぎしりや食いしばり

 歯を喪失したまま放置したり、むし歯や歯周病で痛む歯を避けたりすることによる無理のある噛み合わせ

 等について適宜、痛む歯の治療や欠損部を補う処置、筋肉や関節の痛みや炎症を抑える投薬、主として睡眠時に用い負担を軽減するマウスピース、生活上の助言や場合により医科との連携、などの対策を講じていきます。かかりつけの歯科医院にご相談ください。

顎関節症の診断基準(2014年)

1.咀嚼筋障害(Ⅰ型)

病態…顎運動時、機能運動時、非機能運動時に惹起される筋に起因する疼痛障害で、その疼痛は咀嚼筋の誘発テストで再現される。

2.顎関節障害(Ⅱ型)

病態…顎運動時、機能運動時、非機能運動時に起因する疼痛障害で、その疼痛は顎関節の誘発テストで再現される。

3.復位性顎関節円板障害(Ⅲ型)

病態…下顎頭―円板複合体を含むバイオメカニカルな顎関節内部障害。閉口位において関節円盤は下顎頭の前方に位置し、開口に伴って復位する。関節円盤の内方あるいは外方転位を伴う場合がある。円板復位に伴ってクリック音が生じることが多い。

4.非復位性顎関節円板障害(Ⅳ型)

病態…下顎頭―円板複合体を含むバイオメカニカルな顎関節内部障害。閉口位において関節円盤は下顎頭の前方に位置し、開口時にも復位しない。関節円盤の内方あるいは外方転位を伴う場合がある。